2019年7月2日■ 変わりつつある医療過誤事件「第10回(最終回) 医療過誤事件の現状(訴訟3)」⑶ 医療訴訟の特殊性に配慮した対応とその結果 前回お話した医療訴訟の特殊性に配慮し,医療訴訟ではいろんな対応がなされています。先ず,ミスがあったかどうかを問題にするためにも,実際の診療の経過が明らかにならないと議論になりません。しかも,実際の診療の経過は,やはり医師・医療機...
2019年6月18日■ 変わりつつある医療過誤事件「第9回 医療過誤事件の現状(訴訟2)」⑵ 医療訴訟の特殊性 医療訴訟において明らかにしなければならないことは,患者側(原告側)の被害と,医師・医療機関側(被告側)にミスがあったこと(過失),及びそのミスによって患者の被害が生じたという関係(相当因果関係)を明らかにすることです。つまり損害と過失,及び両者の相当因...
2019年6月4日■ 変わりつつある医療過誤事件「第8回 医療過誤事件の現状(訴訟1)」医療訴訟の現状 国民の医療に対する期待が膨らむ中で,医療技術が進歩し医療はますます高度化して来ました。これに伴い,現実の診療の場においても,ミスがあったかどうかの判断も益々困難になってきました。このため裁判所は各地の地方裁判所に医事集中部という専門部を設けて,これに対処する...
2018年7月13日■ 変わりつつある医療過誤事件「第7回 医療過誤事件の現状(訴訟提起以外の選択肢)」訴訟提起以外の選択肢 示談が成立しなかった場合に訴訟以外の選択肢もない訳ではありません。簡易裁判所で行う民事調停,弁護士会などが行う医療ADR(大阪では民間調停センター),地方裁判所で行う医事地裁調停などです。いずれの手続も,第三者たる医師が手続に関与する方策が取られている...
2018年6月25日■ 変わりつつある医療過誤事件「第6回 医療過誤事件の現状(示談)」示談交渉 調査の結果,医師・医療機関の責任追及が可能だと思える事案については,全てのケースについて例外なしに示談交渉をしています。十分に責任追及が可能であるなら,直ぐに訴訟提起すべきで,わざわざ示談交渉をする必要はないのではないかというご意見もない訳ではありません。しかし,...